片づけもデータも、自分自身の情報整理〜チームこんまり吉良悠子さん【データ×こんまり】
近藤麻理恵さん(通称こんまり)の『人生がときめく片づけの魔法』は、2010年の発売当時150万部以上を売り上げ、片づけを社会現象にした一冊です。世界40カ国以上で翻訳出版され、累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに、2019年にはNetflixで片づけリアリティ番組もスタート、2022年にはテレビ界のアカデミー賞と言われるエミー賞<デイタイム・エミー>も受賞しているので、その名前や「こんまり®︎メソッド」をご存じの方も多いでしょう。物理的なモノの片づけメソッドとして有名ですが、実はデータなどの非物理的なコトにも有効なのだそう。片づけとデータには、どんな関係があるのでしょうか。KonMari Media Japan認定こんまり®︎流片づけシニアコンサルタント兼こんまり®︎メソッドビジネスコーチの“KCくじら”こと吉良悠子さんにお話を伺いました。
吉良悠子さん(KonMari Media Japan認定こんまり®︎流片づけシニアコンサルタント、こんまり®︎メソッドビジネスコーチ)
埼玉県生まれ。2000年に国際基督教大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にてITエンジニア/ITアーキテクトとして大手金融機関を担当。退職後に起業し試行錯誤していた2019年、近藤麻理恵『人生がときめく片づけの魔法』と出会う。こんまり®︎流片づけコンサルタント、インストラクターを経て2022年にシニアコンサルタント認定。コーチングスクールにも入学し、こんまり®︎メソッドコーチ、こんまり®︎メソッドビジネスコーチ認定を受ける。現在はオンラインまたは対面による片づけレッスンやコーチングの提供、オンラインサロンの運営、企業へのセミナー登壇など、幅広い形でこんまり®︎メソッドの普及を行っている。
■「ときめき」で世界を片づけるスペシャリスト集団
田邊:最初に「チームこんまり」について教えてください。
吉良:こんまりメディアジャパン(以下KMJ)を中心にミッションの「Organize The World〜世界を片づける」を実現するグループです。モノや情報や選択肢で溢れる現代社会において、片づけを通して自分の価値観でモノを選択することを繰り返していく中で、自分の選択や行動に自信を持ち、満足して人生を過ごせる人を増やすという活動をしています。
田邊:片づけそのものは昔からありますが、チームこんまりさんの提唱される手法はまた違うのですか。
吉良:こんまり®︎流片づけは、近藤の言葉を借りれば「あらゆるものを選ぶ基準をときめきに置き、ときめく暮らしや働き方を見つける手段」になります。単にモノが整理整頓されてスッキリして終わりではなく、自分の価値観に従いときめいて生きていけると実感できた時点がゴールです。目指すものが違うんですよね。
田邊:あくまでときめきのある人生に辿り着く手段ということですか。
吉良:そうですね。目的は幸せに生きることであって、こんまり®︎流の片づけはそのための手段です。片づけは、その過程で自分自身を見直すことができる人生の棚卸し作業でもあります。自分がこれまでにしてきた選択を一つずつ手に取り、“今”ときめくかどうかを見直してみる。「私はこんなモノが好きなんだ」、「本当はこれがやりたいんだ」という気付きもあるので、埋もれていた気持ちや価値観、夢や目標も再発見できます。片づけのプロセスを通して「これから私はこれをやる」とか「私はこれがいいんだ」という自分自身の目標や判断軸を明確にするプロジェクトとも言えます。
田邊:吉良さんはそのサポートされていると。具体的にはどんな活動があるのですか。
吉良:こんまり®︎流片づけシニアコンサルタントとこんまり®︎メソッドビジネスコーチの資格があるので、大きく2つの活動をしています。片づけのほうでは、お客様のご自宅やオンラインでの片づけレッスン、ワークショップや片づけ講座などをご要望に添った規模や形で行っています。コーチングは基本的に個人セッションを通して、その方が実現したい理想の状態が何かを明確にし、そのための行動に落とし込むサポートをしています。また最近では、企業向けのセミナーに登壇する機会も増えています。家もそうですが、オフィスも整うことで仕事のパフォーマンスがぐんと上がりますから、結構需要があるのですよ。
田邊:こんまり®︎メソッドビジネスコーチって、一般的なコーチングとはまた別なのですか。
吉良:一般的なコーチングで用いる傾聴スキルと共に、近藤が編み出した「こんまり®︎メソッド」をベースにクライアントさんの、モノではないコトを片づけるコーチングです。片づけレッスンという、モノを扱うコンサルティングで培った、理想を描き、手放すモノを手放し、自身のときめきを選びきり、行動する、というプロセスを経て、クライアントさんの理想の実現に貢献するコーチングでもあります。一見、抽象的な「ときめき」を扱いながらも、結果にコミットしている点は特徴的ではないでしょうか。
■こんまり®︎メソッドと「データを片づける」こと
田邊:今回、取材に伺う前までは不思議さもあったんです。よく知られるこんまりさんのメソッドは、物理的な片づけから始まったものですよね。御社として適さない表現かもしれませんが、定性的な達成を目的として取り組むものと考えると「データの片づけ」はかけ離れた分野じゃないかなと。
吉良:私も、そう思われるだろうなとは思っていました。近藤は、著書『Joy at Work』で働き方もこんまり®︎メソッドで片づけられること、ときめきで選ぶことの大切さとともにデータの片づけについても説いているんです。私たちが片づけるデジタルデータはモノの延長線にあると考えます。例えば、パソコンのドキュメントやスマホのデータは書類、写真や動画のデータは思い出品。扱っているのは、データそのものというより情報の片づけに近いのだと思います。
田邊:ふたを開けたらデータベースエンジニアでしたって話じゃないでしょうから、もう少し詳しく伺いたいです。非物理的なコトも片づけることでときめく暮らしにつながるという意味ですか。
吉良:ええ。データは嵩(かさ)が増える、つまり物理的な空間を圧迫するわけではないので、片づけを後回しにしがちですよね。紙の書類を片づける時に「残したいけど場所を取るからデータにしよう」と言う方も多いです。だけど、嵩(かさ)が増えなければ何でも残していいのかというとそれは違って、大事なのはときめくデータを選んでときめく状態で管理できているか。単に撮りためた膨大な量の写真データがある状態と、厳選したときめくお気に入りの写真だけを残した状態だと、気持ちも違うはずです。
ちなみにこんまり®︎メソッドコーチングでは、お客様がデータだと仰るもの、片づけたいと仰ったものなら何でも片づけられるのが特徴です。SNSのデータもその一つで、LINEやfacebookの友達リスト、電話帳のリスト、企業のデータサーバの片づけサポートをした経験もありますよ。
田邊:でも断捨離のように片っ端から消すわけではないですよね。どういうアプローチで進めるんでしょう。
吉良:非物理的なコト(データなど)の片づけは、シンプルな4ステップで行います。1番目は理想を思い描きます。自分はどういう状態にしたいのか、またはなりたいのか。ゴールを決めて実現後の自分や状態を想像しながら味わいます。2番目は、片づけたい対象をすべて出して一カ所に集めます。3番目は、ときめくモノだけを残す作業をします。仕事などの資料であれば、ときめきに今後の仕事に活かせるかという基準も加えて一つずつ選んでいきます。4番目は、残したモノの収納です。どんな規則や配置で整えれば自分がときめくか意識し、ファイル構成や命名規則、格納する場所や見た目なども決めてから戻します。こんまり®︎メソッドには「●●してください」、「こうしたほうがいい」などの“絶対”はないので、決まったアドバイスはしていません。お客様の中にあるゴールに対し、「どうしたいですか」「どの状態が一番心地いいですか」と問いかけ、お客様の納得する答えを引き出して形にするサポートをするだけです。「それってメソッドなの!?」と思われるかもしれませんが、お客様に気付いていただくための「描く・出す・選ぶ・戻す」スキームの提供だと言えばわかりやすいかもしれませんね。
田邊:なるほど。目的から入る、という意味では本筋とも言えますね。
吉良:ときめきというキーワードが伝わりにくいお客様も中にはいらっしゃるので、その時は図解します。近藤はモノを持った時に「キュン」と身体が喜ぶ感覚をときめきと呼びますが、その感覚が中央の円にあるワクワク・幸せ・喜びだとすると、役立つ、心地よい、満たしてくれる、理想を実現しているなどもときめきに含まれます。片づけは自分が幸せになるために行うもので、自らにポジティブな影響を与えるものがときめきだとお伝えするんです。ときめきという言葉がどうしてもピンと来ないお客様には、その方にしっくりくる言葉を探して使ったりもします。
田邊:普段はどういう方のご依頼が多いんですか。
吉良:個人の方が多いですね。ご自宅の片づけ依頼が多いのですが、人って部屋が片づくと自分をさらに研ぎ澄ませたい欲求が生まれるみたいです。身の回りをさらに片づけたいと探されて、そうかスマホやパソコンだと行き着く方はかなり多いです。また、自宅の片づけをご依頼くださった方が会社を経営されていて、オフィス内やデータの片づけのご依頼へと繋がったこともありました。データ以外にも、時間やマインド、人間関係を片づけたいという方もいらっしゃいます。
田邊:こんまりメソッドを非物理的な片づけに応用する際に、難しさなどは感じられませんか。
吉良:形があるモノと比べると手に取って五感を使って選べない所がやはり難しいですが、データはアイコンや画像ファイルなど既に目に見える形で存在していますし、サイズも分かりますから扱いやすいですね。マインドや時間、人間関係の場合は、「出す」のステップで可視化していく作業をします。
田邊:お客様をゴールに導く時に苦労された事例ってありますか。
吉良:決断に迷われる方だとなかなか進まないので大変ですね。そういう方は、モノの片づけが終わっていない場合が多いので、データは一旦止めてモノの片づけを先にやることをお勧めします。モノの片づけで選ぶこと・手放すことを練習しながら、判断力や決断力を磨いていくのです。近藤は、人がモノを捨てられない理由は掘り下げると「過去への執着」と「未来への不安」の二つしかないと言っています。昔は私もドキュメントファイル一つ取っても「作るのが大変だったな」、「またいつか使うかも」と何でも残してしまうほうでした。でも、結局再利用するのは限られていたり、いざ使おうと思った時には陳腐化していてまた新しく作ったりすることの方が多くて。なんとなくで残しているのは単に決断を先送りしているだけで、残すか否かを決断できる感覚や自信を磨くほうが、その後の人生にプラスになると気付けたんです。
残すことももちろん悪いことではありません。残すなら堂々と残せばいいんです。単に減らすのではなくときめくモノだけをときめく状態で管理しよう、というマインドでサポートしています。
■「データを片づける」ことのメリット
田邊:無粋な質問で申し訳ないのですが、成果において依頼側とのコンセンサスはどう得ているのですか。私たちはデジタルデータを扱う仕事で価値や成果を定量的なものに置き換えて話すことが多いだけに、単なる断捨離とも違うのであれば、そこに対する相互理解が難しそうだなと思ったのですが。
吉良:クローゼットから溢れていた洋服が収まった、本が減った分探しやすくなったなど目に見える結果もありますが、片づけを終えられた時点で、生きる上でのパフォーマンスが上がったとみなさん体感されるんですよね。片づけって驚くくらいやっていいことしかないんですよ。人は散らかっているとイライラするので周囲とぶつかることが増えますが、ときめくモノだけに囲まれていると心がおだやかになり笑顔も増えます。自分が満たされていると、不思議と人にも優しくなれるんです。片づけを進めていく中で、旦那さんとのケンカや子どもを怒る数が減って関係性が良好になったという方、手放す経験をしてモノをなんとなくで買わなくなり余計な買い物に費やす出費や時間が減ったと仰る方も多いです。
田邊:データの場合はどうでしょう。企業であれば、チームパフォーマンスが上がったりとかもありますか。
吉良:データも考え方は同じです。個人でも必要なファイルを見つけるのに毎回探す手間や時間が必要だとストレスが溜まりますが、片づいていればスムーズに処理ができます。チームやグループだとその影響はさらに強くなるはずです。チームで共有するフォルダ構成が俗人的だったり煩雑だと、探すことが大変ですが、全員が情報の場所を把握できていれば、頼まれたファイルもすぐ送れますからね。チーム作業って、全員が共通認識を持ち、理想に向かうためのルールを決めて情報を選択することの連続です。片づけたことでストレスがなくなり、依頼しやすく、探しやすくなることで、パフォーマンスやコミュニケーションが向上したという結果も出ています。私は小〜中規模の企業やクリニックのデータの片づけを行いましたが、数人で管理されているような会社だと特に効果があると思いますよ。
田邊:今日の取材にはKMJの矢野間沙世里さんにもご同席いただいていますが、KMJさんでもこんまりメソッドを使ったデータ管理をされているのですか。
矢野間:そうですね。弊社では数年前にクラウドデータの片づけを行いました。吉良がお話したように、何がどこにあるかわからない状態が最もストレスです。私たちも4つのメソッドに沿って片づけたのですが、今では探す時間や手間、人に聞くことはほぼゼロになりました。昨日入社した人でも探せると思いますよ。
田邊:メソッドやプログラム内容の向上や改善に対してデータを活用することはありますか。
吉良:私自身は、個人レッスンやコーチング後は必ず顧客カルテとして記録をつけて、次回のコミュニケーションやセッションに活かしています。報告書のベースにしたり、レッスン内容を見返したりという使い方ですね。
矢野間:直接つながるお話かわからないのですが、各種養成講座では終了後に必ず振り返りアンケートの提出をお願いし、改善のご要望やご意見は次回の講座で反映させるようにしています。また毎月、コンサルタントやコーチの皆さんに提出いただく「ときめき月報」のコメントやご意見も、KMJのサービス運営の参考にさせてもらっています。
こんまり®︎メソッドは近藤が幼少期から研究し世界で提唱されているものですので、このスキーム自体が変わることはありません。それよりも重視するのは、講座の受講生に内容をいかに正しく伝えていくかです。その確認のためにも、どんな小さな講座でも毎回アンケートをお願いし、いただいたフィードバックは共有してなるべく早く改善するようにしています。
田邊:このこんまり®︎メソッド独自のアンケート設問はありますか。メソッドを扱う方々から吸い上げたい情報や、ときめきにあふれた人生を提供するサービスにつながる情報があるんじゃないかと思ったのですが。
吉良:月報にある「最近のときめいたことを教えてください」という設問は、ならではだと思います。仕事が忙しくてときめきを忘れていたとしても、この設問で自分を振り返ることができます。片づけコンサルタントは、自らがときめく毎日を送っていることがすごく大事です。サポートする側がそうでなくては、お客様をときめかせるのはとても無理なんです。
■片づけられない人の未来を変えたこんまり®︎メソッド
田邊:吉良さんがこんまり®︎メソッドに取り組まれ、片づけコンサルタントを目指されたのは何がきっかけだったんですか。
吉良:昔から片づけにものすごく苦手意識があったため、片づけに興味があったんです。本が発売された当初にこんまり®︎メソッドも途中まで試したことがありました。2017年に成り行きで起業して、ご縁を頼りに手当たり次第いただける仕事を引き受けていたら部屋だけでなく活動まで散らかってしまい、「落ち着いたらいつか私も片づけがしたい」と思う日々が続いていました。そんなタイミングで2019年Netflixでこんまり流片づけに再会し、ものすごい衝撃を受けてしまったんです。番組では片づけを通して部屋だけでなく、人生、そして家族やパートナーとの関係まで変わっていく様子が描かれていました。私も片づけをすれば何か変わるに違いないと、近藤の本を片手に今度は最後まで片づけに取り組んでみた結果が本当にすばらしくて。この経験を伝える仕事がしたいとコンサルタントを目指しました。コンサルタントとして活動していくうちに、こんまり®︎メソッドならモノだけでなく人の営みなんでも片づけられると確信があったため、こんまり®︎メソッドコーチングスクールにも一期生として入学し、モノだけでなく、マインドや時間、人間関係などの非物理的なことの片づけでもお客様をサポートできるようになりました。以前はなんでも取っておいて手元にあるほうが安心だと思っていましたが、一度丁寧にモノと向き合い片づけてみると、きちんと残すモノは選んだほうがいいし、なんとなく持っていたモノは手放したところで全然困らなかったんです。自分が圧倒的に身軽になれたんですよね。
田邊:そういえば、以前はIT業界におられたんですよね。現在の片づけコンサルタントやコーチングのお仕事に活きていると感じられる当時のご経験はありますか。
吉良:プロジェクトマネジメントの経験でしょうか。こんまり®︎メソッドではモノ別に正しい順番で全てのモノを選び、全てのモノの定位置を決める片づけの一連の流れを「片づけ祭り」と呼ぶのですが、そのプロセスはある種プロジェクトみたいなんですよ。なので、プロジェクト管理の経験が特に活きている気がします。
田邊:前職では規模的に人や資金の振り分け、現行と新規のシステムの連携など構成する要素や管理する要素のパターンが無限にあったんじゃないかと。そんな要素も頭の中を整理して捌く、そんな能力が活かされていたのではと想像していました。
吉良:改めて振り返れば、そうなのかもしれませんね。今回ご依頼を頂いた時に、データをそこまで突き詰めて考えたことがなかったと思いそちらも見つめ直してみたんです。結果として片づけもデータも、自分自身の情報整理をしてるんだと実感させられました。
田邊:ご自身の棚卸しを経られての今だと思いますが、今後の人生でご自身が実現させたい夢や目標はありますか。
吉良:私はこんまり®︎メソッドに惚れこんでしまった人間なので、ミッションの「Organize The World」を追求するぞ!と思っています。生き方や働き方、暮らし方など何でもいいのですが、とにかく自分がポジティブな状態で生きていける方が世の中に増えていくお手伝いをしたいです。世界中の人がこんまり®︎メソッドで片づけを終えたら世界平和も夢じゃないって本気で思うんです。自分の価値観を大切にできている人は、人の価値観も尊重できるからです。そのためにも、お仕事でもお仕事じゃなくても、私自身がときめくことなら何でもチャレンジしていきたいですね。
田邊:最後に、吉良さんにとってデータはどんな存在か教えてください。
吉良:考えたというわりにはあっさりですが、「よりときめく毎日を送るために活かしていきたいモノ」だと思っています。
モノもデータも片づけることで自分自身を見直し、頭の中を整理することにもなる。そのための鍵が、近藤麻理恵さんが提唱する「ときめき」には潜んでいると吉良さんは言います。数値データから分析するようなアプローチとは少し違うけれど、こうしたデータの捉え方もあるのだという新たな発見を得られた取材でした。ご興味を持たれた方は、ぜひKonMari Media Japanさんや吉良さんのサイトを覗いてみてくださいね。
文 木村早苗