メンバーインタビュー 代表取締役CEO 田邊雄樹
※本記事は2019年11月19日に作成されたblogを一部修正の上、再掲しています
※役職や業務内容等、すべてnote公開当時のものとなります
ーこれまでのキャリアについて話してくれますか?
慶應義塾大学経済学部卒業後、2001年に日本総合研究所に入社しました。
当時は、会計業務を中心に企業の基幹業務システムを扱うオラクルやシーベルといった外資系ベンダーが、日本市場に本格参入し始めた時期でした。そのようななか、私は同様に基幹業務システムを扱う世界的大手SAPのシステムを活用した、システムコンサルテーションとプロジェクトマネジメント業務に従事することとなりました。SAPのシステム導入とは、企業がそれまで自社のホスト環境で構築してきた業務管理の仕組みを、インフラそのものから分散型のオープンシステムへと移行することです。それに加え、日々運用されている基幹業務プロセスのアプリケーションの大半をSAPへ移行する、まさに企業の基幹システムをリプレースするような、非常に大規模なものでした。プロジェクトも年単位で組まれ、関わる人員も規模によってはゆうに3桁を数えるものでした。そうした環境のなかでも特にプロジェクトマネジメントの業務経験が、以後の私のキャリアを支えてくれています。今は会社を経営する立場で、規模や期間、判断ポイントの数こそ異なりますが、プロジェクトマネジメントと経営は非常に近しいものではないでしょうか。
ーその後広告テクノロジーの事業会社に転職されますが…
はい。自分がやっている事業が直接マーケットに響くような事業会社に行きたいなと希望するようになり、広告テクノロジーの会社に転職しました。デジタル広告取引のマーケットプレイス事業開発に着手し、2011年、リアルタイムビッディング市場が拡大するのにあわせて事業が法人化されました。その企業の役員として数年従事しました。それまでのプロジェクトマネジメントキャリアを活かしつつ、よりエンジニアと近い距離感で事業に向き合った仕事そのものが、今のチームビルディングにもとても役立っていると思います。
ー創業当時について教えてください。
私自身はどちらかというと大手志向で、起業することについて考えたこともありませんでした。ただ、前職での終盤、「今後はこうした事業をすべきでは」など、いくつかの可能性や興味を抱きつつもその環境で変化を起こすことができず、結果的に、私の考えに共感してくれた現当社役員の山本健太と会社を出る選択をしました。
ーなるほど。その後イチから組織を立ち上げることになるわけですが、その時に意識したことはありますか?
創業までは紆余曲折ありましたが、設立当初から一貫して強く想っていることがあります。それは、エンジニアファーストの組織を作りたいということです。モノを、価値を自らの手で創れる人を、最も大切に考えたいと…。これは、「primeNumberが大切にすること」として掲げている「8 Elements」 にも込めていますが、私のキャリアが大きく影響しているのかもしれません。
ーそれはどのような点でしょうか?
今でこそ、Google等アメリカ西海岸の文化や国内スタートアップ文化の盛り上がりもあって、ソフトウェアエンジニアの地位は社会的にも非常に評価されるものとなっています。しかし、かつてのシステム関連部門は 、組織において傍流とされているように見えました。花形部門とは真逆でシンプルにコストセンターという位置付けであったかと思います。私が社会人になった2001年あたりは、企業によってはほぼ対象業務の大半が外注されていたりもしていました。でも、実際の業務を見ていると、急速に社会の情報化が進むなかで“情報システム部門 ”がないと会社の業務は回らない、回すことはできないというのが実態でした。それを見ていた私は、「エンジニアがいないと会社は回せない、成長させることもできない」と強く矛盾を感じていまして、だったら、自分たちでその環境をつくっていけばいいのでは?と考え、その延長線上に今のprimeNumberがあるわけです。
ー今のprimeNumberではどの程度実現できていると言えるでしょうか?
今では、コーポレート部門以外の全員が、それぞれの役割で各種エンジニアリングワークができる集団になっています。現体制は、パートナーの方を含め約40名で構成されていて、そのうち9割以上がエンジニアです。彼らの活躍があって今の成長があるわけですが、チームビルディングという観点からは、創業時からの想いをそのままに進んでこれていると感じています。
ー事業について教えてください。
創業当初は漠然とした志はあったものの、具体的にどんなシステムを作るかはまだ決まっていませんでした。そのため、まずは自分たちに出来ることで顧客のニーズに応え、受けた仕事をひとつひとつアウトプットしていくことに没頭していたものです。それこそ、最初の売り上げはモバイルアプリ開発でした。
ー今とは状況が大きく異なりますね。
はい。第一期目も下期に差し掛かる辺りから少し先のことを考えるようになりました。仕事も組織としての成長を実現すべく、少しずつシステム開発を請け負う方向に転換していきました。そのなかで、顧客が持つ共通の課題をクリアしてプロダクト化し得る領域を探しながら、エンジニアリングカンパニーとしての礎を築いていき来ました。その延長線上に、systemN™とtroccoⓇが出てくるわけです。
ーsystemN™とtrocco®についてお話しいただけますでしょうか?
私の話かなり長くなっているので、各プロダクトへのコメントは他の役員にお任せします。笑 別の企画があれば、そこでまたお話ししましょう。
ーでは、各事業の展望だけでも教えていただけますか?
primeNumberは、「データテクノロジー」をメインテーマとしたエンジニアリングカンパニーです。我々が把握できている限りの必要機能をsystemN™とtrocco®で具現化し、市場・顧客に提供しております。現在の開発ルーティンがそうであるように、今後もお客様の課題解決、ニーズ応対を優先し、さらに、実現できれば、未来の課題を先に見つけてプロダクトとしてリリースしていく、そんなエンジニアリングワークを実現できればと考えています。
ー次に、組織について詳しく教えてください。ズバリ、primeNumberの魅力とは何でしょうか?
“チームそのもの”だと思っています。コミュ二ケーションコストも低く、自由さと裁量のバランスが適切であるということですかね。みんなにも聞いてみて下さい(笑)。
あと、チーム全員が、「8 Elements」にまとめられた言葉を自然体で実行できていて、価値創出を最優先事項に老若男女フラットでいられるので、ありがちな仕事上のストレスも少なく、本当に自由でいられているのではないですかね。
ー素晴らしい組織ですね。
それぞれの役割にあまり被りがないので、よく言えば裁量がある一方で、その反面少し大きな責任を負う、ということにもなります。そういった環境を楽しめたり、やりがいに変えられる人は、primeNumberのメンバーとも合うのではないかと思います。また、メンバー全員が若いため、それぞれに不足している部分は当然あると思います。今は、それをお互いが補完し合って組織として成立させているわけでありますが、この点については、今後もそういった組織のまま大きくなっていければと思っています。
また、primeNumberで働いてみたいなと興味を持ってくれた方には、最初に「私たちの持つ「8 Elements」に共感できそうかどうか?」をお聞きしたいと思っています。価値観を同じくし、同じ志を持てる仲間と一緒に情熱を持って仕事をしたいと思っています。その上で、「自分なら組織にこんな価値を提供できるよ」と語ってくれた内容と僕たちが握手できるか、だと思っています。市場や顧客、社会に対して一緒に価値を創り、価値を返していきましょう!
ー最後に、primeNumberの今後の方向性について教えてください。
「データテクノロジー」の会社として、「systemN™」や「trocco®」といったプロダクトを通して、価値を返せる対象をもっとずっと大きくしていきたいです。具体的には、本領域で国内のデファクトスタンダードとなり、いち早く国境超えて活動していければと考えています。
ーありがとうございました!
次回は取締役執行役員COO山本健太のインタビューです。お楽しみに。