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“面接をしない”から高い定着率を実現できる!管理職採用を成功させる「カジュアル面談」のコツとは

こんにちは、primeNumberです。

採用の中でも管理職採用は、その他メンバーの採用とはまたちょっと違った大変さがありますよね。管理職についている人は現職に満足していてそもそも市場にいなかったり、管理職のニーズの高さから競争率が激しく他社に採用されてしまったり、せっかく採用できたもののメンバーとのミスマッチですぐに離職に繋がってしまったり…

上記日本経済新聞の記事では、管理職の求人数増加や採用上の課題、入社後のミスマッチを防ぐ取り組み等をまとめています。この「ミスマッチを防ぐ取り組み」の一例として、primeNumberも取り上げていただきました。primeNumberでは管理職の定着率100%を実現しているのですが、そのカギを握るのは「面接をしない」スタイル、そして「カジュアル面談」なんです。

採用なのに“面接をしない”とはいったいどういうことなのか、具体的にはどのようなフローをとっているのか、どんなカジュアル面談を実施しているのか、採用を担当する石川のインタビューを通じてご紹介します。


スタートアップがよく直面する、管理職採用の難しさ

――一般的に管理職採用は難しいという話ですが、石川さんの考えもお聞かせください。

コミュニケーション本部 HRBP 石川真衣

管理職は、お任せする仕事やミッションの抽象度が高く、細かくタスクをすり合わせられるわけではありません。また、チャレンジする課題も複合的です。たとえば、primeNumberのコミュニケーション本部長でいえば、採用、広報、人事、労務など、さまざまな領域を担当いただく必要があります。そのため、企業が求めることと候補者の適正、候補者が取り組みたいことと企業がお任せしたい仕事のすり合わせが難しく、ギャップが生まれやすいことから短期離職につながりやすいのではと思います。

――primeNumberでの管理職採用については、どうでしょう?

他の企業さまと同じく、あるいはそれ以上に難易度は高いと思っています。背景にはスタートアップの環境ではよく起こりうる「認知度の低さ」と「変化の速さ」があります。

CxOや本部長として採用したいと考えているターゲットの方々は、たいていの場合自分のポジションを全うされていて転職を検討されていない方が多いので、なかなか転職市場に出てきません。また、primeNumberはスタートアップ、かつお客様は個人ではなく、企業の方々が多いです。まだまだ企業としての広報活動も道半ばなこともあり、サービスのユーザーではない方や、スタートアップに関心がない方に興味を持ってもらい、接点を持つことも難しいと感じています。

加えて、管理職と一口に言っても、大企業の管理職と弊社のようなスタートアップの管理職では求められることが違います。スタートアップは変化も速く、こうしたスピードに対応できるかどうか。そもそも同じような経験をしている人が採用できれば望ましいのですが、そうした人材は多くはなく「経験はないが適正はある方」を見極めるという難しさがあります。

初回から代表が出席する“カジュアル面談”重視のスタイル

――現在primeNumberではどのような採用をしているのでしょうか

CxOや本部長をお任せしたい方については、最終面接以外”面接をしない”採用スタイルを基本的にはとっています。この場合の面接は、採用する企業側から求職者に一方的に質疑応答するものと定義しています。そしてprimeNumberでは、最終面接以外はすべて「カジュアル面談」なんです。

――具体的な採用フローについて、教えてください。

まず初回カジュアル面談を、いきなり代表が実施します。「いきなり代表ですか」と驚かれるケースも多いです(笑)そして代表から丁寧にprimeNumberの説明をし、こちらから経歴などの質問をほぼせず、逆に候補者から何でも質問を受けるようにしています。初回は、候補者がprimeNumberの理解を深める時間なんです。そして2回目のカジュアル面談で、候補者の経歴や今後のキャリアのお考えを伺うといった流れになります。

3、4回目では、取締役や執行役員、配属部門の部長と顔合わせもかねたカジュアル面談を実施します。このカジュアル面談は候補者の希望にもあわせつつ、回数を増やしたりもしますね。最終面接だけはprimeNumberの質問に対して候補者の方にお答えいただくという、形式としてはいわゆる面接になります。入社後にどんなことを実現したいか、覚悟を持ってご一緒できるかなどを、互いに最終確認する場として設けています。

また、primeNumberは管理職候補の方もまずはメンバーとして入社いただき、周囲との信頼関係を構築してから管理職になってもらうようにしています。

――どうしてこうしたフローにしているのでしょうか?

代表が初回のカジュアル面談に出て、候補者の疑問にとにかくお答えすることで、会社のスタンスや、採用に対する本気度を伝えたいと思いました。また、繰り返しにはなりますが、そもそもスタートアップへの転職を検討していなかった方、primeNumberを全く知らない方にも少しずつ知っていただきながら、関係を構築していきたいという想いがあります。

初回面談の後にも、カジュアル面談を多く重ねているのは、「一方的に見極める」というスタンスではなく「ビジョンや組織の課題、任せたい・担いたいミッションなど、双方にすり合わせて理解を深めていく」といったスタンスにしたかったからです。そもそもヘッドハンティングで転職意欲がない方にアプローチをしているので、とにかく焦らず相互理解を深めることを意識しています。primeNumberという会社の顔が見えて、人に魅力を感じて、会社を好きになってもらうことで、温度感を高めていくんです。最終面接も形式としては“面接”になりますが、primeNumber側からのみ見極めるわけではありません。双方にすり合わせて理解を深めあう、双方が選びあうといったスタンスは、カジュアル面談と変わりないと考えています。

まずメンバーとして入社いただいているのも、すり合わせや相互理解の一貫です。いきなりCxOとして入社してもらっても、元からいるメンバーと入社した方、双方にやりづらい気持ちが生まれてしまうのではと思っています。会社の規模も比較的小さいので、管理職を採用してミスマッチが生まれてしまった場合の影響は大きいです。そのため、より丁寧にコミュニケーションを取りながら進めています。

さらに付け加えるなら、そもそも候補者の方とフラットな関係でいたいという考え方もあると思います。primeNumberは、管理職とその他のメンバーも上下関係というわけではなく、単に役割の違いだと捉えています。呼び方も、役職名で呼ぶわけではありません。お客様についても同じで、お客様にはお金を支払っていただき、私たちは価値を返すという、対等な関係だと捉えています。このような、ステークホルダーとフラットな関係性を築きたいという思いが、管理職の採用フローにも表れているのかもしれません

こうしたフローに変えたことで、候補者の方から「とても真摯な会社ですね」と言っていただけることが増えましたし、初回接点も持てるようになりました。

――こうしたフローだと、とても時間がかかるのではないでしょうか

そうですね。お会いしてから承諾をいただくのに半年、承諾をいただいてから入社までに半年以上、計一年以上かかった方もいますが、急ぐ気持ちは全くありません。

CxOや本部長一人の採用で、会社が大きく変わります。プロダクトがスケールしたり、マーケティング施策が方向転換したり、新しいカルチャーが作られたり……こうした影響を考えると、採用に時間はいくらかけても良いですし、時間に代えがたい価値があると思っています。

こうした時間のかけ方や、初回から代表が出ることもあり、「カジュアル面談なのに、全然カジュアルじゃないですね」というコメントを貰ったこともあります(笑)

管理職の定着率100%を実現、ヤフーやSAPジャパンといった企業から優秀なメンバーを採用

――今の採用フローに変えた成果を教えてください。

ヤフー株式会社で本部長として人事企画、人材開発、組織開発、HRBP部門を管掌していた岸本さんや、SAPジャパンでコーポレートイベント・ブランディング・スポーツマーケティングなどの責任者を務めていた濱本さんをはじめとし、とても優秀な方々を採用できました。LINEヤフー株式会社の上級執行役員CFOを務められている坂上さんにも、社外取締役に就任いただいています。また、現在の採用方法に変えてから、管理職の定着率は100%となっています。

――今後の意気込みや、管理職採用にかける思いなどをお聞かせください。

primeNumberはスタートアップというフェーズで、管理職に限らず一人の採用で会社、事業、チームが大きく変化する様子を何度も見てきました。そういった点で採用は非常に重要だと考えていて、私たち採用チームは今の組織の課題を解像度高くとらえ、それを候補者にお伝えし、一緒に面白がって挑戦してくださる方を今後も採用していきたいと思っています。

また、入社を決めるまでの体験やコミュニケーションの取り方は、入社後のパフォーマンスにも大きく影響すると思っています。選考の過程でより大きな期待感と覚悟感を醸成することや、ギャップなく課題認識を持っていただくことを心がけ、一緒に会社を引っ張っていただける方を採用していきたいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。管理職の採用に悩まれている方々のご参考になれば幸いです。また、こうしたフラットな組織で働くことに興味を持たれた方は、ぜひカジュアル面談でお話しましょう!