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primeNumberのソリューションサービスはクライアントの要望に応じて発展する。経営ダッシュボードの構築からスタートした事例を見る。

こんにちは、primeNumberです。primeNumberは「あらゆるデータを、ビジネスの力に」というビジョンを掲げています。データを事業の中心に添える私たちが提供する事業「ソリューションサービス」は、データテクノロジーの課題を解決するべく企業にコンサルティングとエンジニアリングを提供するサービスです。たとえば、企業がデータ分析基盤(=データを活用するための環境)を作り、使うのをサポートしたり、非ITエンジニアのデータ活用能力を育成する「データエンジニアリングワークショップ」を提供したりしています。

ここまで聞いても、私たちのソリューションサービスが何なのかわからないという方向けに、実際のプロジェクト事例を用いて、ご紹介していきたいと思います。

今回のソリューションのテーマは「経営ダッシュボードの構築」。primeNumberのソリューションチームでソリューションアーキテクトとしてプロジェクトマネジメントを担当する岡野から紹介をしてもらいます。


プロジェクト概要 - 経営ダッシュボードの構築

今回のクライアントであるサーキュレーション様から「営業系データ、会計データ、人事系のデータなどを複合的に見られ、経営の指針となるようなダッシュボードを作ってほしい」というご希望をいただきました。そもそもデータを集める箱(データウェアハウス)がないという課題をお持ちだったため、データを集めるための基盤を作った上で、ダッシュボードを作りたいというのが当初のゴールでした。その後、プロジェクト進行中に新たに分かった課題を解決するため、追加でダッシュボードを構築しました。2021年11月にスタートし、今も進行中のプロジェクトです。現在はサーキュレーション様の自走を支援しています。作ったダッシュボードをサーキュレーション様自身が運用できるようになり次第、プロジェクトは終了予定です。

実際に構築したダッシュボード

プロジェクトの全体の流れと今後の展望 - データ分析基盤の構築・自走支援から、「データの民主化」といったテーマへの広がり

フェーズ1:データ分析基盤の構築(2021年11月から2022年4月)

2021年11月から2022年4月にかけて、経営ダッシュボードを含めた、データ分析基盤を構築しました。

まず、どういうデータを活用していきたいのかというビジョンや、社内でデータを活用していく上での課題をヒアリングしました。

課題を一覧化し、どのタイミングで解消していくかというロードマップを決めました。中でも一番大きかったのが「契約間の繋がりが見えないため、各顧客のLTV(Life Time Value)が算出できない」という課題です。サーキュレーション様はプロ人材(専門的な知識を有する人材)を企業の経営課題に合わせた業務委託契約を提案するといった事業を行っています。そのため「プロ人材をどのくらい企業に提案し、契約を締結できたか」「契約をどのくらい継続して貰えたか」がサーキュレーション様にとって重要な指標となります。にもかかわらず契約のデータを見ても、どのくらい継続されているかが分かりませんでした。契約データ同士が、継続契約として繋がっているかどうかが示されていなかったのです。そこで、契約同士の紐づけが自動で行われるようなシステムを作り、データを整備しました。この際、業務の流れを一つひとつ理解するため、サーキュレーション様のオフィスに訪問して1日中MTGするなどの地道な努力も大切でした。

また、ビジョンにもとづいて最適なデータの持ち方を考え、システムの設計要件を詰めていきました。その結果、trocco®(※)やBigQuery(データウェアハウス)を使って、各システムに散らばったデータを基盤に集めた上で、ダッシュボードで可視化するといった設計を採用しました。

開発はアジャイル方式で、できた部分からサーキュレーション様に確認いただき、フィードバックをいただきながら修正していきました。

ここでいったん、当初オーダーをいただいた経営ダッシュボードの開発は完了です。

※trocco®はprimeNumberの提供する、データ分析基盤の総合支援サービスです。代表的な機能として、データ統合の自動化があります。さまざまな場所に散らばったデータを、データウェアハウスに集め、ダッシュボードに転送することができます。

フェーズ2:追加のダッシュボード構築(2022年5月から9月)

当初の課題が解決した次のフェーズでは、新たに出てきた課題であったプロ人材の稼働状況を可視化するためのダッシュボードや、マーケティング活動から得たリード(見込み顧客)が契約受注に至るまでのプロセスを分析するためのダッシュボードを構築していきました。

フェーズ3:サーキュレーション様の自走支援(2022年10月~)

10月以降は、サーキュレーション様が自走できるよう支援しています。作ったダッシュボードのメンテナンスやデータ利活用を、サーキュレーション様ご自身が実施できるようサポートしています。

今後の展望:「データの民主化」という更なるテーマへの取り組み

フェーズ3が完了すれば、データ活用のファーストステップ、つまり環境構築は一区切り、プロジェクトはいったん終了となります。ですが、更なるデータ活用をしたいというサーキュレーション様のご要望に応じて、今後もパートナーとしての関係を続けていく予定です。要望の一例としてあがっているのが、「データの民主化」。現在はサーキュレーション様社内の一部の方がダッシュボードを利用していますが、データを分析・活用したい方自身がダッシュボードを使える状態、つまり「データの民主化」を目指したいとのことです。また、サーキュレーション様とディスカッションする中で「機械学習」というキーワードも出ています。

プロジェクトの成果 - 年間約1000時間の作業時間を削減

サーキュレーション様に伺ったところ、下記のような3つの成果が得られたと聞いています。ひとつ目が、年間約1000時間の作業時間削減です。従来スプレッドシートで都度集計や分析していた時間を、年間約1000時間削減することができました。また、データ集計と分析の着地精度やデータ品質も向上したそうです。ふたつ目は、主要KPIの変動要因を分析できるようになったことです。「契約の継続率」を含めた重要な指標をダッシュボードで可視化したことで、変動要因を分析し、対策できるようになったそうです。最後は、仮説立案・行動後の検証といったPDCAを迅速に回すことができるようになったとのこと。従来より数日〜1週間以上スピーディに行動検証が可能となった例もあるそうです。

ここまで事例を元に、私たちのソリューションサービスの仕事の内容と進め方を紹介してきました。戦略を考えるところからサポートし、テーマを広げていくことが可能なのが、primeNumberのソリューションサービスの特徴です。

今回のプロジェクトでは、私はソリューションアーキテクトとして、プロジェクトの全体計画の策定と、分析基盤におけるデータモデルの設計を担当しました。サーキュレーション様の業務モデルを理解し、データ活用を促進するためのモデルを検討することは非常に楽しい経験でした。また、ダッシュボードやデータパイプラインの設計・構築は他のメンバーと役割分担をしながらもお互いにディスカッションし検討を進めることでサーキュレーション様を強力にご支援できたと思います。ソリューションアーキテクトはクライアントへの提案からプロジェクトのマネジメント、エンジニアリングまでできる仕事なんです。

primeNumberの良い所は、trocco®というサービスを提供しているため、これからデータ活用を進めていきたいというクライアントと接点が持てるところです。さらに、trocco®はUIが良く使いやすいため、幅広い企業に興味を持って貰えます。そうしたクライアントと、どのようにデータ活用をしていくかという戦略を0から考え、伴走していけるというのは、面白い所だと思います。

また、primeNumberはクライアントの自走をサポートしますが、中・長期的な視点でパートナーとしての関係性が続くケースも珍しくありません。なぜなら、「データ分析基盤を作る」という所からスタートした場合でも、集めたデータの活用方法(BI、機械学習、業務システムでの利用)や、社内でのデータ活用の拡大にむけた「データの民主化」など、クライアントがビジネスの成長のために新しいテーマへ取り組んでいくケースが多いからですデータ分析基盤の構築というファーストステップからその後のデータ活用まで、フルサポートして欲しいという要望も多くあります。


いかがでしたでしょうか?
こうしたサービスを共に提供していきたいという方は、ぜひ下記からご応募ください。カジュアル面談からでも大歓迎です。

岡野敦史(ソリューションアーキテクト)
新卒でITコンサルティング会社に入社、プロジェクトマネージャーとして、小売業界の基幹系システムの構築とそれに伴う業務構築に従事。primeNumberではソリューションアーキテクトとして、データ分析基盤のアーキテクチャ設計・構築のプロジェクトマネジメントを実施。

詳しい紹介は下記

Google Cloud Day: Digital '22にて、サーキュレーション様からプロジェクトをご紹介いただいた際のレポートは下記

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