低い学習コストで、素早く安全、長期的なデータ活用を支援する!trocco®のプロダクトビジョンを改めて策定しました
こんにちは。primeNumberでプロダクトマネージャーをしている廣瀬(@satoshihirose)です。
この度、弊社で開発しているSaaSプロダクトであるtrocco®について、改めてプロダクトビジョンを策定しました。
trocco®はどういうプロダクトなのか、どういう思いで開発しているのかを是非みなさんに知ってもらって、(今後も引き続き)trocco®を使ってもらえるようにしていきたいと思うので、策定の背景とそのプロダクトビジョンをご紹介させてください。
プロダクトビジョン策定の背景
trocco®は、データを転送するETLサービスとして2018年から提供が開始され、今年で5年が経過しました。ここに至るまでに、お客様が少しずつ増えながら、ETLサービスの枠を超えたさまざまな機能を追加してきました。
また、先日にはtrocco®の5周年イベントを開催し、多くのユーザー企業様にご参加いただいて無事盛況に終えました。実際にユーザー企業様でtrocco®を使用されている方々の感想やフィードバックを聞け、またデータ活用の未来や今後のトレンドはどうなるかなどとても実りのある議論ができ、大変素晴らしい時間になりました。
そんなtrocco®のこれまでのプロダクトステートメントとしては「データドリブンな企業には、高品質な分析基盤が不可欠。trocco®はそのために必要な技術を提供し、エンジニアの頼れる右腕となる。」というものを使用していました。
しかしながら、さまざまな機能が増え、さまざまなお客様に使っていただくなかで、trocco®をどのように開発していき、どのような価値をお客様に提供していくべきかというところはだんだんと自明ではなくなってきました。
そこで、これまできちんと言語化されていなかったtrocco®のプロダクトとして大切にしたいことをビジョンとして言語化し、それに対応するプロダクト戦略やロードマップも同時に策定することで、trocco®が今後も継続的にお客様に使っていただけるプロダクトとして成長していけるようにしようと、今回改めてプロダクトビジョンを策定しました。
trocco®のプロダクトビジョン
議論を重ね、最終的にtrocco®のプロダクトビジョンを以下のように決めました。
このプロダクトビジョンの末尾に加えられている「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」という文言は、primeNumber が会社として目指すところです。データ基盤の構築支援はゴールではなく、お客様のビジネスを支えることであることを忘れないようにその文言を含めています。
そして、このプロダクトビジョンには三つの柱があります。
それは、
素早く安全にあらゆるデータから価値を得られる
低い学習コスト
長期的な運用が可能なデータ基盤が構築できる
です。
以下では、それぞれについて説明します。
trocco®のプロダクトビジョンの三つの柱
素早く安全にあらゆるデータから価値を得られる
誰しもデータ活用が必要になったときにすぐにデータを利用できる状態にあって欲しいと思うものです。しかしながら、現実には、データ活用をするためのパイプラインを整備するまでにはさまざまな手間があります。例えば、どのようなツールをデータ統合ツールを使うか、どのように集計クエリを動かし管理するか、OSS(オープンソースソフトウェア)を使う場合はどのように実行環境を用意するか、などの諸々を丁寧に考えて計画しなければなりません。これは、技術力の高いエンジニアならば簡単に乗り越えられる壁かもしれませんが、一方でそのような人材が揃っている企業ばかりではないことも事実です。
このビジョンの柱は、trocco®を使うことでそのような手間を最小限にして、お客様が素早くデータを利用可能な状態を実現することを表しています。ここで言う素早さは、データ活用を始めるまでの時間的な短さを意味する一方、データ転送を含む処理速度も高速であるべきであるという思いも含まれています。
また同時に、データを取り扱う方法は安全でなければなりません。たとえ素早くデータが扱えるようになったとしても、安全でない方法でデータを取り扱ってはいけません。セキュリティは、データを取り扱う企業にとってはトップレベルに重要なものです。お客様の扱うデータの種類や求めるセキュリティ保護の観点によって、さまざまなデータ保護の機能を提供していきたいと思っています。
低い学習コスト
上記の通りデータを活用するまでの道のりは険しく、一筋縄ではいきません。達成したい目的を前にして、ツールに慣れるまでその使い方に四苦八苦してただただ時間が過ぎてしまうのは時間の使い方としてもったいないです。また、複数のツールを併用することでそれぞれのツールに慣れたり継続的にキャッチアップする時間が必要になることも大変です。
このビジョンの柱は、trocco®が優れたUI(ユーザーインターフェース)を提供し、その上でプラットフォームとしてさまざまな機能を一元的に管理できるようになることで、低い学習コストを実現することを表しています。そして、低い学習コストを実現することで、本質的ではない苦労を取り除き、お客様の実現したいビジネス上の目的にフォーカスできるようにしていきたいと思っています。既存のお客様からもtrocco®のUIについては評価いただくことが多く、この要素はこれからも大切にしていきたいと思っています。
長期的な運用が可能なデータ基盤が構築できる
データ活用にはデータ基盤が必要です。そして、データ基盤の運用は大変です。長期的な運用を見据えてデータパイプラインやそれを動かすシステムの設計を正しく行わなければなりません。ここで間違った設計をすると、運用にかかる時間もお金も余計にかかってしまいます。そしてまた、仕組みを変更しにくかったり、変更した際にトラブルが発生しやすくなってしまいます。
このビジョンの柱は、trocco®を使うことで長期的な運用が楽になるデータ基盤を構築できるようにすることを表しています。データ転送機能、データマート機能、ワークフロー機能など、データ基盤構築に必要な機能の運用はtrocco®に任せられるようになっていて、その領域は今後さらに拡大していく予定です。また、運用を任せられるようになるだけでなく、データモデリングなどデータエンジニアリングのベストプラクティスを適用できるような仕組みを用意するなどの方向性でも運用をサポートする機能を検討していきたいと思っています。
さいごに
この記事ではtrocco®のプロダクトビジョンとその策定の背景について紹介しました。
今回策定したプロダクトビジョンを目指すにあたって、不足している機能や仕組みはまだまだたくさんあります。trocco®に改善の余地があることは間違いなく、このプロダクトビジョンを土台にしながら、より多くのお客様に使っていただけるよう引き続き成長させていきたいと考えています。
primeNumberではそんなtrocco®の未来を一緒につくってくれる人を募集しています。
ちょっとでも話を聞いてみたいというかたでもウェルカムですので、お気軽にご連絡ください。
また、今月 11/29 に開催される pmconf2023 にて、primeNumberのプロダクトマネージャーが登壇してプロダクトビジョン策定までの具体的な道のりについてお話しする予定です。ご興味ある方は是非ご参加ください。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。これからもtrocco®を選んでくれるお客様に価値を返し、データ管理・データ活用によってビジネスを支えるさまざまな人に使ってもらえるサービスとなるよう努めていこうと思います。引き続きtrocco®をよろしくお願いいたします。